富士山は噴火するのか
2月6日、富士山火山防災対策協議会(静岡、山梨、神奈川3県で構成)は富士山噴火に備えた広域避難計画をまとめ、降灰による屋内退避者を3県で最大約890万人と推計したとのこと。
今のところ噴火の兆しはないとのことだが、世界遺産登録までこういった大規模の被災想定や避難計画を行っていなかったということなので、今回の発表は大変に有意義なことだと思われる。
地震・火山国日本にとって休火山等がいつ噴火するかはわからなくても、対策を練り、いつ噴火しても対応できるように備えておくことは必要だ。世界遺産登録後、登山者が増えたこと、周辺地域でのこれまで以上の対応が必要となったことなどと合わせて、人々の安心感が違ってくるだろう。
それにしても、溶岩流はともかくとして、降灰の想定される範囲は予想外に広く神奈川・静岡・山梨にとどまらず、(風向・風速の影響はあるだろうが)東京都・千葉県にも及ぶとのことだ。降り積もった灰をどうやって除去するかまで対策が迫られているのは否めない。
富士山は噴火するのか。その答えは今はわからない。しかし、三陸沖大地震を経験した我々には、被災想定をしてそれに備えることの意義や、避難訓練により、人命を失うことのないように備えることの重要さは分かっているはずだ。