お父ちゃん、今年はサンタさん来ないの?
「お父ちゃん、ぼく今年はサンタさんにゲーム機をお願いするんだ」
息子の声に、お父ちゃんはぎょっとした。クリスマス前に発売予定の、そのゲーム機については知ってはいたが、高価すぎて手が出ないと思っていた。
会社が今年は業績不振で、ボーナスが出ないという。
しょうがないからお父ちゃんはサンタさんになった。いや、会社が終えてからちょっと遠い街の繁華街でサンタクロースの格好をして、飲み屋のサンドイッチマンのパートタイマをやることにしたのだ。
夜の街はクリスマスソングが鳴り響いていたが、寒くて参った。みぞれが降ってきたこともあった。でも、子供のために頑張った。
クリスマスが近づいて、その夜も勤め帰りにサンタクロースになろうと、サンドイッチマンの会社のビルにたどり着いた。ところが事務所はもぬけの殻だった。紙が一枚、貼られてあった。
「すいません倒産しました」
「・・・サンタクロースの会社も倒産するんか」
サンドイッチマンの仕事の発注先の飲み屋に行った。飲み屋も、もぬけの殻だった。
お父ちゃんは、頭をかかえた。
イブの夜、ついにゲーム機は買えなかった。お父ちゃんはヤケクソでお酒をしこたま飲んでしまった。
酔っぱらって帰ってきて、明け方まで寝込んでしまった。
明け方、泣きべそをかいている子供に起こされた。
「お父ちゃん、今年はサンタさん来ないの」
「サンタさん、失業しちゃったんだよ」
息子の声に、お父ちゃんはぎょっとした。クリスマス前に発売予定の、そのゲーム機については知ってはいたが、高価すぎて手が出ないと思っていた。
会社が今年は業績不振で、ボーナスが出ないという。
しょうがないからお父ちゃんはサンタさんになった。いや、会社が終えてからちょっと遠い街の繁華街でサンタクロースの格好をして、飲み屋のサンドイッチマンのパートタイマをやることにしたのだ。
夜の街はクリスマスソングが鳴り響いていたが、寒くて参った。みぞれが降ってきたこともあった。でも、子供のために頑張った。
クリスマスが近づいて、その夜も勤め帰りにサンタクロースになろうと、サンドイッチマンの会社のビルにたどり着いた。ところが事務所はもぬけの殻だった。紙が一枚、貼られてあった。
「すいません倒産しました」
「・・・サンタクロースの会社も倒産するんか」
サンドイッチマンの仕事の発注先の飲み屋に行った。飲み屋も、もぬけの殻だった。
お父ちゃんは、頭をかかえた。
イブの夜、ついにゲーム機は買えなかった。お父ちゃんはヤケクソでお酒をしこたま飲んでしまった。
酔っぱらって帰ってきて、明け方まで寝込んでしまった。
明け方、泣きべそをかいている子供に起こされた。
「お父ちゃん、今年はサンタさん来ないの」
「サンタさん、失業しちゃったんだよ」